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F1ワッチ (F1watch)

Watching the Formula One from an Armchair

バリチェロが小林の代わりにケータハムに乗るはずだった

管財人によってファクトリーと機材を差し押さえられたケータハムは、アメリカとブラジルの二戦を欠場することになった。しかし小林可夢偉にとっては、そもそもアメリカGP以降のケータハムに乗る予定がなかったのではないか……という報道が出てきた。

Rubens Barrichello

しかも代役はルーベンス・バリチェロだったというのだから、いろいろな意味で衝撃的だ。ジャーナリストのアダム・クーパーも、米FOXスポーツのサイトでこのバリチェロ復帰説について記事を書いている(Caterham problems put stop to surprise comback for Barrichello | FOX Sports)。

この予想外のカムバック計画は、いくつかの要因が複合的に絡みあっていたようだ。

(1) バリチェロの未練

ルーベンス・バリチェロのF1ドライバーとしてのキャリアは、2011年のウィリアムズが最後である。しかし2011年の最終戦ブラジルGPが終わった時点では、彼は来年もウィリアムズに残留するつもりだった。彼は繰り返しメディアに対してF1残留を語り、引退説を拒否していた(参考:バリチェロ、2012年残留の可能性を示唆 - F1ニュース ・ F1、スーパーGT、SF etc. モータースポーツ総合サイト AUTOSPORT web(オートスポーツweb))。

しかし結果として2012年のウィリアムズのシートは、同じブラジル人であるブルーノ・セナによって占められることになり、バリチェロは結果としてF1から引退した。

[He] has always been frustrated that he did not have a proper farewell race at his home event. (Caterham problems put stop to surprise comback for Barrichello | FOX Sports

このような経緯があったので、アダム・クーパーによると、バリチェロは、彼の母国ブラジルのレースで、正式な引退セレモニーを持つことができなかったことに、ずっと苦しめられてきたという。

この未練が、カムバックの原動力となったようだ。

(2) コリン・コレスの誘惑

コリン・コレスは、ケータハムの代表ではないが実質的なフィクサーであり、国際コンソーシアムと連携して財政的な面でチームをコントロールしていたと考えられている。

そのコレスは、なんとブラジルGPのプロモーターも務めており、そのコレスの後押しで、バリチェロは終盤3戦(アメリカ、ブラジル、アブダビ)のケータハムを小林の代わりにドライブするという計画が進んでいたという。

Encouraged by support from the Brazilian GP promoter Colin Kolles, there had been a deal being put together that would have seen Rubens replacing Kamui Kobayashi for the last three Grands Prix of the season.

もちろんこれはケータハムに資金を持ち込むことが前提であり、ケータハム関係者によると、スポンサーも含めてこのカムバック計画はうまく進んでいたと、クーパーは伝えている。

コレスは、ケータハムの小林のシートを様々なドライバーに売却することを持ちかけていたと見られており、ベルギーGPでアンドレ・ロッテラーが小林に代わって出場したことも記憶にあたらしい(小林可夢偉、ベルギーGP欠場を機に「距離を置いて考えてみる」-TopNews F1)。

(3) バリチェロのTV解説者の降板

おそらくこのカムバック計画の予兆だったのが、不可解だったバリチェロの解説者降板のニュースだろう。

一ヶ月ほど前、バリチェロはブラジルのTV局「グロボ」のF1解説者を降板したことが伝えられたが、その理由は明らかにされなかったので、さまざまな憶測を呼んでいた(バリチェロの解説者契約解除の理由は?-TopNews F1)。

シーズン途中での解説者降板は異例であり、「円満な契約終了」をテレビ局がアピールすればするほど、何かトラブルがあったのではないか、バリチェロの素行不良が原因ではないか、といった憶測が広がっていた。

しかし、その背後には、ケータハムでのカムバック計画が存在していたと考えれば、こうした事情がスッキリする。

(4) もちろんバリチェロもノリノリ

Speaking exclusively about the plan, Rubens added: “It would have been great to race in front of my people once again and say goodbye properly.”

アダム・クーパーは、バリチェロのコメントとして「母国のファンの前でもう一度レースをすることができるのは、素晴らしいことだ。ちゃんと別れを告げることもできるし」と述べたということだ。

個人的に衝撃だったので、本件については、こうして記事にしたうえで、ポッドキャストでも話をした(145 (2014) R17 アメリカGP | エフワンのすくつ)。

ケータハムが欠場したことは、バリチェロにとっては最悪のニュースだっただろう。逆に、小林がこうした事情を知らされていたとは思えないが、彼にとっては、ケータハムが出場しようと欠場しようとそこに彼のシートはなかったということになる。

(C) 記事出典: Caterham problems put stop to surprise comback for Barrichello | FOX Sports

(CC) 画像出典: Rubens Barrichello | Flickr - Photo Sharing!

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