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F1ワッチ (F1watch)

Watching the Formula One from an Armchair

ロズベルグとハミルトンに関する報道は「偏向」しているのか

ニコ・ロズベルグ ルイス・ハミルトン メディア

今季は、メルセデスのチーム内バトルが盛んに報じられている。しかし、夏休み明けのベルギーGPぐらいから報道の傾向が変わっていないだろうか。当初はハミルトンが「わるいやつ」とまでは言わないが「こまったやつ」として位置づけられていた気がするのだが、今はロズベルグが「こまったやつ」扱いされているように思われる。

Esclusivo:Ham e Wolff:"Nico l'ha fatto apposta".Per dimostrare che non è un 2°pilota?La Mercedes privilegia Ham?

そのきっかけは両者の接触事故が(しおらしく被害者顔をしたハミルトンの言葉と共に)メディアで先走って報道されたことにあるように思う。しかしジャーナリストのジョー・サワードは、そのような報道がファンに与えた印象の変化は、メディア側のナショナリズムが影響しているのではないかと考察し、批判している。記事のタイトルはずばり「虫が好かない」だ(A pet hate | joeblogsf1)。

サワードは、ジャーナリストたちが、それぞれの国籍に応じて、ドライバーを選り好みして都合のいいように報道していると指摘している。例えば、ドイツのジャーナリストはロズベルグ視点の記事を書いてハミルトンを悪者として書くし、英国のジャーナリストはハミルトン視点で記事を書き、ロズベルグを敵として描き出しているというのだ。

The Rosberg-Hamilton in Spa has brought out a number of those people who like to accuse journalists of bias because they share the same nationality of one or other of the protagonists.

サワードの友人(ロバートと記事では言及されている)も、「自分たちの意見を主張する際に、英国人であることを間違った方法で使う人たちが本当に好きになれない」とコメントしたという。

One commenter, called Robert, summed up my views on this subject. “I do hate how people bring up the subject of being British in a negative way to further their opinions,” he wrote. “It immediately marks the writer out as none too bright in my opinion.”

これはF1における「ニュース」の問題をよく指摘しているのではないだろうか。

というのも、F1において表立って活躍して英語で発信しているジャーナリストのほとんどは英国人であり、何らかの偏向が生じているとすれば、そのほとんどが英国に偏っているということだからだ。さらにいえば、メルセデスというドイツのタイトルスポンサーを持ったチームの本拠地は英国にあり、チームスタッフのほとんどは英国人である。

当F1ワッチも、英語圏におけるF1ニュースを紹介したり、それらを下敷きに考察を加えたりしているが、これはつまり英国(残念ながらF1において米国の存在感は極めて薄い)をベースとしているからだ。

日本語のF1ニュースを読んでいるだけだという日本のF1ファンも、この「偏向」と無関係ではない。多くのF1サイトは、英語で配信されたニュースを(公式にせよ非公式にせよ)日本語に翻訳して掲載している「だけ」だからだ。

もし世界が国籍で区切られているのだとすれば、ある意味で、ロズベルグは孤独な戦いを強いられているのかもしれない。

Having a different view on a subject when there is a conflict between two different nationals can sometimes appear to be bias, but more often than not, this comes because the national media speak the language of the individual involved and thus have a better understanding of the reasons and the character of the person who acted as they did.

サワードはこう記事を結んでいる:ある物事について異なる見方をするとき、そこには二つの異なる国籍がせめぎ合っており、それは時には偏向というかたちで私たちの目の前にあらわれる。そしてより多くの場合、ある人間の行動や性格、そして事件の原因をより理解しやすいようにそれぞれの国のメディアがそれぞれの言葉で話すことによって、偏向が生じている、のだと。

この指摘は実にまっとうだと思われるが、多くの反感もかっていることが彼のブログのコメント欄を読むとよくわかる。

そりゃ「日本のF1メディアは、日本人ドライバーやチームをひいき目に書きすぎていて、本当の姿を伝えていない」と、日本の誰かF1メディア関係者が発言したとすれば「うるさい」「おまえがいうな」「うそつき」と罵倒されるであろうことは、あきら……あれ、誰かそんなことをもう言っている人がいたような……

ともあれ、メルセデスの一件に話を戻せば、そこにメディアによる偏向(bias)が生じているかもしれない、と裏読みしながらニュースを読むことは、まさに「斜め45度」と言えるのではないだろうか。本件に関しては日本は蚊帳の外なわけで、面白く読めるかもしれない。よりレベルアップしたら、ケータハムと小林可夢偉の件を、偏向を意識しながら複数の記事を読み合わせてみると、さらに面白いに違いない。

(CC) 画像出典:Esclusivo:Ham e Wolff:"Nico l'ha fatto apposta".Per dimostrare che non è un 2°pilota?La Mercedes privilegia Ham? | Flickr - Photo Sharing!