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F1ワッチ (F1watch)

Watching the Formula One from an Armchair

マックス・モズレーが検索結果の削除を求めてGoogleを告訴

元FIA会長のマックス・モズレーがGoogleを告訴した。彼は自身の「性的スキャンダル」の画像を閲覧できないようにブロックすることをGoogleに求めている。これはそもそも2008年3月に、彼の私的な「セックス・パーティ」の様子が英国のメディアによって盗撮され、世界的なニュースになったことが発端である。

かれこれ6年も前の事件だが、確かにいまだにGoogleの画像検索で簡単に画像が見つかる。日本語のF1情報サイトでも、恥ずかしげもなくその画像を無断で転載し、公表し続けているサイトもあるようだ。

本件は、F1ファンが長らく親しんできたマックス・モズレーという一個人のプライベートに関することではあるが、インターネットに関わらざるをえない私たち全員に等しく関係する事案である。特にネット上の個人情報については「忘れられる権利」など、欧州では急速に整備が始まっている。最新のBBCニュースの記事を紹介する。

UN Global road Safety Week (London)

Max Mosley sues Google over sex party photos

(Quoted from BBC News )

Ex-Formula 1 boss Max Mosley is suing Google for continuing to publish images of him with prostitutes at a sex party.

F1の元責任者であるマックス・モズレーが、Googleを告訴している。彼が売春婦たちとセックス・パーティをした件の画像がずっと閲覧可能な状態にあるからだ。

He has issued High Court proceedings against the internet firm for breaches of the Data Protection Act and misusing private information.

彼は英国で民事事件を取り扱う高等法院[訳注:最高裁判所に相当する]に対して、Googleが英国のデータ保護法に違反しており、個人情報を不当利用していると訴えている。

[訳注:英国のデータ保護法(Data Protection Act 1998)は、個人情報の取り扱いについて定めた法律で、主にその利用と保存の制限と削除について命ずるものである。モズレーの一件はおそらく、第14条の「訂正・削除の請求」に則ったもので、裁判所が認めれば、個人情報の訂正や削除をその管理者に求めることができると定められている]

The 74-year-old wants Google to block pictures first published in the now-defunct tabloid News of the World, which he successfully sued in 2008.

74歳になるモズレーは、既に廃刊されたタブロイド紙『ニューズ・オブ・ザ・ワールド』で最初に公表された画像のブロックをGoogleに求めており、彼は2008年には同紙に対して勝訴している(参考:Max Mosley wins £60,000 in privacy case | Media | theguardian.com)。

A Google spokeswoman said: "We have worked with Mr Mosley to address his concerns and taken down hundreds of URLs [web pages] about which he has notified us."

Googleの広報担当者は、「私たちはモズレー氏と協力して彼の関心事項に取り組み、彼が私たちに知らせてきた数百のURL(ウェブページ)を削除してきた」と述べている。

The legal action comes after a European court decision earlier this year ruling that Google had to listen, and sometimes comply, when individuals asked it to remove links to newspaper articles or websites containing personal information about them.

今年初め、既にヨーロッパの裁判所はGoogleに対して法的行動を取るように命令している。それによると、あらゆる個人が、その当人の個人情報を含む新聞記事やウェブサイトへのリンクを削除するように要請した場合、Googleはその訴えを聞かねばならず、場合によっては応じなければいけないのである。

Mr Mosley's case is not directly linked to the hearing on the "right to be forgotten" however, which concerns the removal of search results.

このモズレーの件は、直接的に「忘れられる権利」に該当するものではないが、検索結果の削除に関連したものである。

In a statement, his lawyers said: "This is not a case about the 'right to be forgotten' or freedom of speech. Nor does it require Google to act as an arbiter of what is lawful and what is not.

声明文において、モズレーの弁護団は「これは、「忘れられる権利」に関する事例ではないし、言論の自由にかかわるものでもない。そしてまた、何が適法であり、何がそうではないかを定める決定者としてGoogleが振る舞うことを要求するものでもない」

"The High Court has already made that decision in respect of the images concerned. All that Google is being asked to do is to take practical measures to give effect to that decision of the court."

「高等法院は、既に関連した画像に関して、既に決定をおこなっている。Googleが為すべきことは、その裁判所での決定事項を実行することだ」

Mr Mosley has already won similar cases in France and Germany.

モズレーは、既に同様の件において、フランスとドイツで勝訴している。

以上、BBCニュースの記事から紹介した。

つまり、該当データは削除されねばならない、と、英国での結論は既に出ているので、アメリカのGoogleはそれに従うべきだ、とモズレーは告訴をしたわけだ。

現在ヨーロッパで議論されているのは「忘れられる権利」(今回のモズレーの件はそれには該当しないようだが、それに類するものとして)の逆説的な効果である。というのも、その権利を行使しようとする訴えが再びニュースになり、忘れられたいはずのものが再び表ざたになってしまうケースが続出しているのである。これは訴える側にも、報道機関にも、それぞれに原因があるのだが、確かにいくつかのケースでは、情報の「セカンドレイプ」を被ることがありうる。

マックス・モズレーは、自身が正しいと信じるところに従って、まさに世界中から自身の不当なプライバシー流出に関する情報を消そうとしている。そのことがこうしてニュースになり、私たちにその件を忘れることを許してくれない側面があるのことは事実だ。

しかし彼のこの信念こそがまさに、1994年のサンマリノGP以降の、F1の安全性向上・技術規制・予算制限などなど……の流れを決定づけていたと考えれば、F1ファンには感慨深いものもある。

(C) 記事出典:BBC News - Max Mosley sues Google over sex party photos

(CC) 画像出典:UN Global road Safety Week (London) | Flickr - Photo Sharing!

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