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F1ワッチ (F1watch)

Watching the Formula One from an Armchair

なぜクリスチャン・ホーナーは記者会見で怒りをあらわにしたのか

クリスチャン・ホーナー FIA アゼルバイジャン ロシアGP バーレーンGP

ハンガリーGPの金曜日、チーム代表者を集めての記者会見で、レッドブルのクリスチャン・ホーナーがメディアに対する苛立ちをあらわにした。集まったメディアが、F1がロシアやアゼルバイジャンで開催されることについてどう思うのか、チーム代表者たちに尋ねたからだ。ホーナーによると、そのような問題はあまりにも政治的なので、F1の責任者であるバーニー・エクレストンやジャン・トッドに聞くべきだという。

民主化運動で揺れるバーレーンがそうであるように、開催契約が結ばれているからといってそこでF1を開催すべきかどうかは、政治的な問題であり、倫理的な問題でもある。さらに世界的なビジネスとなったF1では、商業的な問題も無視できない。

そのような複雑な状況下で、いったいチームはどのように行動すべきなのか。いったいなぜホーナーは怒ったのか。他のチーム代表者たちはロシアの件をどのように考えているのか。YouTubeに投稿されている動画と共に、アダム・クーパーによる本件に関する記事を紹介したい。

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Frustrated Horner tells media to ask Todt and Bernie about controversial venues

(Quoted from Adam Cooper's F1 Blog)

The FIA’s regular Friday team personnel press conference was enlivened when a clearly angry Christian Horner told the assembled media that questions about the rights and wrongs of F1 going to Russia and Azerbaijan should be directed to Jean Todt and Bernie Ecclestone.

FIAがチーム代表者とメディアを集めて開催する定例の金曜記者会見がざわついた。あきらかに怒ったクリスチャン・ホーナーが、集まったメディアに対して、F1がロシアやアゼルバイジャンにいくことが正しいのか間違っているのかといった質問は、直接ジャン・トッドやバーニー・エクレストンにするべきだと発言したからだ。

Only Claire Williams, Monisha Kaltenborn and Vijya Mallya were prepared to comment about a question on Russia – all saying in essence that it was was up to the FIA – while Horner, Marco Mattiacci and Eric Boullier all preferred not to comment.

クレア・ウィリアムズ、モニシャ・カルテンボーン、そしてヴィジェイ・マリヤは、ロシアに関する質問へのコメントを用意していたが、それぞれの発言を要約すれば、それはFIA次第だということだった。その一方、クリスチャン・ホーナーやマルコ・マティアッチ、エリック・ブーリエは、コメントすることを控えた。

When a further question was asked about Azerbaijan, with a punchline of whether they would follow Bernie Ecclestone to North Korea, only Mallya was willing to reply.

もしバーニー・エクレストンが北朝鮮でF1を開催すると言ったらチームは従うのか、というたとえ話と共に、アゼルバイジャンについてさらなる質問が出ると、フォースインディアのマリヤだけが進んでその質問に答えた。

“I think we’re racing people, more popularly known as petrolheads,” he said.

「私が思うに、我々はレース屋なんだ。もっとよく知られた言葉で言うなら、カーマニア(petrolhead)の集まりといったところだ」と、マリヤは言った。

“We come here to race and to win and to enjoy it. The governance is an international organisation called the FIA. It is up to the FIA to decide where the sport is conducted

「我々は、ここにレースをしに来ている。勝ちたいと思っているし、楽しみたいと思っている。全体の統括は、FIAと呼ばれる国際的な組織がおこなっている。このスポーツがどこでおこなわれるのかを決めているのは、FIAだ」

“You know, it’s a not question of following Bernie. I think the question has been wrongly framed. It’s the commercial rights holder, it’s the FIA. We race where they stage the events. It’s as simple as that.” When the follow-up question cited issues in Azerbaijan, Horner snapped.

クリスチャン・ホーナーは、アゼルバイジャンについての質問に噛みついた。「いいか、これはバーニーに従うかどうかという問題ではない。私の考えでは、その質問は、我々に対してされるべきものではない。商業権保有者[訳注:バーニー]や、FIAに対してされるべきだ。我々は、彼らが日程を組んだ場所でレースをする。単純なことだ」

“All of you will be at those races, or the vast majority of you will be at those races and why, because you’re either passionate about the sport or because you earn a living out of covering the sport and I think it’s wrong to make Formula One a political statement or subject when we are a sport.

「ここにいる全ての人間はF1と一緒に世界を回っているだろう。そうでなくても、みなさんの大部分がF1にくるのは、このスポーツに対して情熱を持っているか、このスポーツについて伝えることで生活を成り立たせているからだろう。だから私が思うに、我々がスポーツをしているときに、F1を政治的な問題や議題と結びつけようとするのは間違っている」

以上、アダム・クーパーによる記事を紹介した。

書き起こされたホーナーのコメントを含む、件の動画(非公式)はこちら。動画でみると彼の苛立ち、困惑がより伝わってくるだろう。

なぜスポーツのために用意された記者会見で、チャンピオンシップの行方や、週末のレースの内容について尋ねないんだ、というホーナーの苛立ちはよくわかる。実際、すでにバーレーンのときに明らかになったように、あまりにも大きな国際的な問題を前にして、チーム側にできることはほとんどない。バーニーやFIAが全てを決めるのである……。

さらに問題をややこしくしているのは、いくつかのチームは、そうして問題とされる国(主にロシアだが)に企業と、商業的に深い関係にあるということだ。もちろんトロロッソにはロシア人のドライバーもいる。

関連した記事は、当ブログの "ロシアGP" - Archive - F1ワッチ (f1watch)、アゼルバイジャンについては F1韓国GPは二度と開催されない - F1ワッチ (f1watch) の中で言及があるので、それぞれ参照のこと。

F1の中央集権的な構造は、プロ・サイクリングなどほかのスポーツからは憧れの対象のようだが、本当に「これ」がベストなのだろうか? もちろんこの問いかけには答えも確信もないのだが……。

記事出典:Frustrated Horner tells media to ask Todt and Bernie about controversial venues | Adam Cooper's F1 Blog

画像・動画出典:F1 2014 - 11 Hungarian GP - Horner - Focus is all wrong - YouTube