Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

F1ワッチ (F1watch)

Watching the Formula One from an Armchair

若手ドライバーは本当に「TVゲーム世代」なのか:ダニール・クビアトの場合

以前、レッドブルのドライバー育成担当者であるヘルムート・マルコが、現代のF1ドライバーをどのように考えているのかを紹介する記事を書いた(ヘルムート・マルコのF1ドライバー哲学 - F1ワッチ (f1watch))。そこではマルコが、プレイステーションのゲームやiPadなどに慣れ親しんだ若手ドライバーは、F1をゲームのように考えており、真剣に取り組んでいないのではないかという疑念を持っている、とジャーナリストのジェームズ・アレンはまとめていた。

そして、まるでそのマルコの意見に対する反論のような発言が出てきた。トロロッソの若手ドライバーであるダニール・クビアトが「自分はTVゲームなんてやらない」と、言っているのである。この記事を書いたのはやはりジェームズ・アレンだから、おそらくこの二つの記事は対になっているのだろう。今回はこれを紹介したい。二つまとめて味わっていただければ幸いだ。

クビアトの「初モナコ」に絡めて書かれている。

Daniil Kvyat

Daniil Kvyat: “Playstation Generation? I don’t even have a single game on my iPhone!”

(Quoted from James Allen on F1

ロシア人F1ドライバーのダニール・クビアトは、これまでモナコを走った経験がない。F1では1年目だから当たり前だが、それ以前のカテゴリーでもモナコを走ったことがなかったのだ。

It is unusual for an F1 driver to arrive in F1 without ever having driven some kind of car around Monaco. Valterri Bottas did it last year after jumping straight from GP3, which doesn’t race in Monaco, into F1. Kvyat followed his lead this year.

F1ドライバーにとって、レーシングカーにせよ自家用車にせよ、何らかの車でモナコを運転したことがないということはほとんどない。バルテリ・ボッタスは昨年、GP3からF1にジャンプアップしてきたが、彼はモナコでレースをしたことがなかった。ダニール・クビアトも、ボッタスと同じ道を辿ったのだ。

How does he anticipate the challenge of building up speed without any form of mental database of the circuit and its quirks?

モナコGPを前にして、ダニール・クビアトは、これから走るサーキットに対する経験的なイメージが何も心の中にないのに、いったいどんなふうにして自分がそこを高速で走ることを事前に想像したのだろうか?

“No secrets – I’ll not try to do anything I don’t know or try anything clever. That won’t help me. I’ll do what I know, which is to drive fast.”

「何も秘密はない。私は知らないことは何も試さないし、賢くやろうともしない。そういうやり方は自分の助けにならない。私は、自分が知りうる範囲で速く走るだけだ」

Amusingly Kvyat shot down the notion that he is from the “Playstation Generation” of kids arriving in F1 who grew up gaming and seeing the world digitally.

彼はF1にやってきた「プレイステーション世代」の子供たちのひとりなのだろうか。彼はTVゲームで育ち、世界のすべてを0か1かのデジタル的な発想で捉えているのだろうか。クビアトは、そんな考えを楽しそうに否定した。

“Everyone says ‘Playstation Generation’, but I never had a Playstaion,” laughs Kvyat. “Karting is enough. Being on a real track. I was never a fan of gaming. If you check my IPhone, there is not even one game on it!!”

「みんなが「プレイステーション世代」だと私のことを言うが、私はプレイステーションを持っていたことはない」とクビアトは笑った。「レーシングカートで十分だ。現実世界のサーキットで走るんだ。TVゲーマーだったことは決してない。私のiPhoneを調べてくれればわかると思うが、そこにはゲームのアプリは一つも入っていない」

Kvyat is a likeable but very focussed young driver, who expresses himself well in English and seems already at home in F1. He impressed last season in GP3 and has started as well as he could have imagined possible in his F1 career.

クビアトは好人物であり、かつとても優れた若手ドライバーだ。彼は自分自身を英語でうまく表現するし、F1の世界を既にホームのように感じている。彼はGP3で昨シーズン印象的な走りをみせたし、F1でのキャリアも彼が想像していた通りにうまくスタートさせている。

以上、ジェームズ・アレンのブログから、クビアトのインタビュー記事を引用・紹介した。

アレンをはじめとして欧州のジャーナリストたちのクビアトに対する評価は高く、おそらくメディアの注目も集めているだろう。日本でTV中継を見ていてもそういうことはまったく感じないが残念なところだが……。

なんとなくクビアトを身近に感じることができるインタビューだった。しかし、こんなことを言うのはなんだが、TVゲームで遊ぶことより、レーシングカートで遊ぶことのほうが、いったいどれだけのお金がかかるか! ある意味で、彼の恵まれた環境というものを感じさせるインタビューでもあった気がする。

(C) 記事出典:Daniil Kvyat: “Playstation Generation? I don’t even have a single game on my iPhone!” // James Allen on F1 – The official James Allen website on F1

(CC) 画像出典:Daniil Kvyat | Flickr - Photo Sharing!

Remove all ads