F1ワッチ (F1watch)

Watching the Formula One from an Armchair

F1からアルコール広告が消えたらどうなるか

かつてモータースポーツにとってタバコ広告は貴重な収入源だった。近年、次は本格的にアルコール広告が禁止され、さらにモータースポーツに打撃を与えるだろうと予測されている。しかし、その予測は本当に正しいのだろうか。悲観的な観測が多いなかで、ブログ『スポーツマーケッター』のジェームズ・パリッシュは、F1からアルコール広告が消えたとしてもなんの問題もないと主張している。

Giancarlo Fisichella Friday

The Loss of Alcohol Sponsorship won’t be the end of Formula 1

(Quoted from SPORTSMARKETER)

There are rumblings that the Loi Evin, a ban on alcohol sponsorship in France, could be expanded across Europe.

フランスにおけるアルコール広告の禁止を定めたエヴァン法(Loi Évin)が、ヨーロッパ全体に拡大されるのではないかと噂されている。

Many news stories have been printed about how bad a ban on alcohol sponsorship will be for Formula 1. I should point out that contrary to some people’s beliefs, this is not a problem of the same scale as the ban on tobacco. Alcohol sponsorship in Formula 1 doesn’t contribute anything like what tobacco did.

複数のメディアが、アルコール広告の禁止がF1にとってどれだけ悪しきことであるかを伝えてきた。しかしそれらに反して私が指摘したいことは、それはタバコ広告の禁止と同じ規模の問題ではないということである。

Current alcohol sponsors in F1: Johnnie Walker (McLaren & FOM), Martini (Williams), Smirnoff and UB Brands (Force India), Veuve Clicquot (Ferrari) and G.H.Mumm (FOM). The total spend across all teams and FOM comes to around $60m, with Johnnie Walker contributing the most at around a third – but most of that goes to FOM for circuit signage.

現在のF1におけるアルコール広告は以下の通りだ。ジョニーウォーカー(マクラーレンとFOM)、マルティニ(ウィリアムズ)、スミノフとその他のUBブランド(フォースインディア)、ヴーヴ・クリコ(フェラーリ)、そしてマム(FOM)である。これら全てを総合すると、およそ60億円になり、そのうちジョニーウォーカーが三分の一を占めている。しかしジョニーウォーカーの資金はチームにではなく、サーキット広告代としてFOMに対して支払われている[訳注:マクラーレンへのスポンサー代を除く]。

Compare that with tobacco sponsorship at the time, that was in the region of $250m. Of course this was at a time when F1 team budgets were much lower – so in percentage terms tobacco sponsorship was a great deal more important to teams than alcohol sponsorship is for teams in 2014.

当時のタバコ広告は、250億円規模だった。もちろん当時は現在よりもF1予算そのものが小さかったので、タバコ広告が占める割合はチームにはとても重要だった。2014年におけるアルコール広告の比ではない。

One point that should be made is that any ban on sponsorship, will likely not be a ‘sponsorship’ ban, but more likely a ‘brand’ sponsorship ban. That’s to say that sponsors will not be allowed to benefit from on-car, on-driver or circuit branding (anything visible on television), but can benefit from other rights and benefits such as hospitality experiences and promotional rights. Team’s can still generate significant revenues from brands for rights such as access to drivers.

もう一点、指摘しておかねばならないことがある。アルコール広告の禁止は、スポンサーシップそのものを禁止するというよりも、ブランドをアピールすることを禁止するものになるだろうということである。つまり、アルコール会社は、マシンやドライバー、サーキットにおける広告によってブランド認知を広めることは禁止される(もちろんTVに映る全てが禁止だ)が、その他の権利や利益、たとえばホスピタリティ・ブースでゲストをもてなす際に特定のアルコールブランドを用いることや、プロモーションにF1を利用する権利は認められるということである。だからチームは、もしもアルコール広告が禁止されたとしても、その他の権利、たとえばアルコール会社がF1ドライバーを広告に起用するなどといったことから、それなりの収益をあげることができるだろう。

以上、『スポーツマーケッター』から、アルコール広告の禁止に関する記事を紹介した。

上記の記事で近年の成功例として挙げられているのはジョニーウォーカーである。彼らはたとえマシンやサーキットなど「目に見える部分」での広告が禁止されたとしても、その他のさまざまな関連広告からメリットを受けとることができるだろうと指摘されている。

確かに個人的な経験に鑑みても、そうかもしれないと思うところがある。たとえばそれはマールボロとフェラーリの関係のようなものだ。F1日本GPでは、マールボロが依然として大きなブースを出展しており、そこではフェラーリのF1マシンが展示されている。決してF1の中継にはマールボロのロゴは映らないにもかかわらず、僕たちは依然としてマールボロのブランド広告をF1を通じて受け取り続けている。もしかしたら未来のアルコールもそのようになるのかもしれない。

しかしその時には、新規のアルコールブランドの参入はF1に望めなくなるだろう。禁止されるその瞬間までに多額の投資をF1におこない、ファンに対してそのブランドイメージを既に擦り込んでいるメーカーだけが、そのメリットを享受できるということか。今年からウィリアムズに「復帰」したマルティニにも、もしかしたらそのような深慮遠謀があるのかもしれない。

(C) 記事出典:The Loss of Alcohol Sponsorship won’t be the end of Formula 1 | SPORTSMARKETER

(CC) 画像出典:Giancarlo Fisichella Friday | Flickr - Photo Sharing!

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