F1ワッチ (F1watch)

Watching the Formula One from an Armchair

リフト・アンド・コーストとは?

Lift and Coast:アクセルをオフにして惰性で走ること。アクセルから足をリフトして(lift, (v) 持ち上げる)、マシンをコーストさせる(coast, (v) 惰走する)テクニックのこと。

T03 Bahrain - 2nd March 2014

現在のF1ドライバーは、燃料をセーブして、燃費を向上させるために、このリフト・アンド・コーストをおこなっている。主にコーナーの入り口でスロットルを閉じる。2014年からの厳しい燃費制限によって、このテクニックの重要性は増している

しかし、オートスポーツ誌によると、多くのF1ドライバーは、このリフト・アンド・コーストによって生じる様々な問題について懸念し、チャーリー・ホワイティングに申し立てをしているという(Australian GP: F1 drivers wary over 'lift and coast' tactic dangers - F1 news - AUTOSPORT.com)。なぜなら、彼らの目の前を走るマシンがいきなりアクセルをオフにして減速した時に、衝突などの危険が生じるかもしれないからだ。

しかし競技ディレクターのホワイティングは、彼にこの問題を解決するためにできることはほとんど無いと考えている。

Whiting told them that there was little he could do to resolve the situation other than make it clear that drivers had to be responsible if slowing deliberately.

むしろF1ドライバーたちは慎重に減速し、あらゆる危険について自分たちで責任を取るべきだというのがホワイティングの考えである。

これに関して、セバスチャン・ベッテルは、何か悪いことが起きるだろうと考えている。

"We need to see how bad it is. If everybody's in the same boat it's fine, but surely we'll have differences between the cars' fuel consumption. Then it could be a different situation."

というのも全てのドライバーが同じ条件でレースをしているわけではなく、マシンの燃費はそれぞれに違うので、あるマシンはリフト・アンド・コーストによってコーナーの入り口で急に減速するかもしれないが、他のマシンは全力でコーナーに進入するかもしれないからである。

しかしニコ・ロズベルグは、より前向きにこのリフト・アンド・コーストの問題を考え、2014年からは戦術を変えるつもりである。

"So I won't slipstream until the very, very end because I know that either the hybrid power can switch off or the electronic boost can switch off on the straight, which will suddenly slow him down. Or he is going to lift and coast.

「最後の最後までスリップストリームに入ることを避けるだろう。なぜならストレートでハイブリッド・パワーがオフになるか、蓄えられた電気エネルギーによる加速がオフになるまでは、突然前を走る車が減速するかもしれないからだ。それか、リフト・アンド・コーストするかもしれない」

どうやら2014年のF1中継で頻繁に耳にするようになった「リフト・アンド・コースト」という言葉は、燃費をセーブするというレース全体の戦略面(strategy)でも、前を走るマシンを追い抜くという戦術面(tactics)でも、重要なテクニックであるようだ。

リフト・アンド・コーストが、コーナーの進入速度を遅くすることで、F1における「突っ込み」のバトルを無くすだろうという悲観的な意見もあるが、どうやら状況はそれほど単純ではない。前のマシンが燃費に苦しんでおり、リフト・アンド・コーストをおこなっていることを看破すれば、後ろを走るマシンはより簡単に前のマシンを追い抜けるかもしれないが、もちろんそれを防ぐために前を走る車は様々なテクニックを用いる必要があるらしい。 

燃費の向上だけではなく、他のリフト・アンド・コーストの効能として、MGU-K(エネルギー回生システム)の効率が上がるとも言われているが、まだ英語ソースで確認ができていない。確認でき次第また紹介しようと思う。

(CC) 画像出典:T03 Bahrain - 2nd March 2014 | Flickr - Photo Sharing!